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赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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53-2:新雪は猛き轟竜の為に(後編)

お待たせしました後編です。
相変らずアホな流れですいません。
まぁどうぞ。




雪煙が晴れたそこに居たのは、モンスターでも人でもなかった。
見た目は人に近いが、普通の人間にはあんな大きな尾や爪は無い。
それに肌に走るあの黄と青の斑模様。あれには見覚えがあった。

俺がポッケ村に来る事になった、直接の原因を作った飛竜、ティガレックス。

その模様と瓜二つだ。
「この匂いを忘れたことは無ぇ! お前だろうトトル!?」
恐らくは、あいつはティガレックスの変異体だろう。
それならさっきから感じていた妙な気配も、大型モンスターの情報が無かったのも説明が付く。
・・・しかしさっきからトトルの名前を呼んでるってことは、トトルの知り合いなのか?
「おいトトル、あいつ知ってるのか?」


「・・・さぁ? 知らない。」


・・・はい?
「なっ!? なんだとぉ・・・!? てめぇ俺のこの傷を忘れたってのかっ!?」
そう言ってそいつは、自らの眉間を示す。
確かにそこには、X字の大きな傷跡がある。
そして元々の凶暴そうな顔立ちと相俟って、かなりの強面だ。
「俺はお前にこの傷を付けられてから、ずっとお前に勝つ事だけを考えてたってのに・・・!」
「トトル・・・ああ言ってるけど、ホントに身に覚えは無いのか?」
「・・・・・・・・・思い出せない。」
「あ! 俺知ってるぜあいつの事!」
「ガラン?」
「げ!? 何でガランまで居やがるんだよ!?」
「あいつ俺が来る前まで、この雪山を縄張りにしてた奴だ! えっと名前は確かー・・・ライ・・・ライ・・・ライドオン?」
「違うっ! 俺の名前はライドラス! ライドラスだっ!」
「はぁ・・・でも、そのライドラスとトトルが、何で知り合いなんだ?」
ティガレックスは寒いとこでも暑いとこでも適応できるので、天敵や競争相手の少ない雪山か砂漠に住んでいる事が多い。一方ナルガクルガは寒いとこはダメなので、樹海や沼地といった、適度な気温の場所に住む。
よって基本的に、この二種が自然に巡り合う確率はほぼ0に等しい。
「俺が雪山に巣を持つようになってから、確かどっか別のとこに移ったってのは覚えてるけど・・・。」
「あぁそうだ! 俺はお前にこの雪山を譲ってやって、新天地を目指したんだ!」
「譲って『やって』、ねぇ・・・。」
「そして辿り着いた樹海で・・・トトルッ! お前に会ったんだ!」
恨みの篭った視線でライドラスはトトルを睨みつける。
だが当のトトルは相変らず寒さに震えるだけで、「帰りたい帰りたい・・・」と繰り返し呟いている。
「ほらトトル、相手がああ言ってるんだから、せめて何かリアクションを返してやれ。」
「・・・そんなことより、早く帰りたい・・・。」
「・・・っ何だよ馬鹿にしやがって! だったら腕ずくで思い出させてやるよ!」
言うやいなや、ライドラスは凄まじい跳躍力でトトルに飛び掛った。
まずい・・・! 
なんとも微妙な空気に油断しきってたから、これじゃ矢が間に合わない・・・!
俺は弓を投げ捨て咄嗟にトトルを庇おうとするが、それよりも先にトトルが動いた。

その場でくるんと、宙返り。

「ぶへらっ!?」
そしてその動きで見事、尻尾がライドラスの顔にクリーンヒットした。
トトル・・・何時の間にリオレイアのサマーソルトを習得したんだ・・・。
「くそっ! まだまだ・・・ごほぉっ!?」
今度は横回転で、頬を尻尾でなぎ払う。
ライドラスはその勢いで、ゴロゴロと転がり、やがて雪まみれになって動かなくなった。
「ユーリ・・・もう雪山草も採り終わったし、帰ろう。」
「え・・・いやあの・・・ライドラスは・・・?」
「・・・面倒くさい・・・帰ってから話す。」
「はぁ・・・。」
「んじゃあ、あいつほっといていいのか?」
「い、いやいや! 一応変異体だし、連れ帰らないと! あ、でも途中でまた暴れられても困るし・・・確か登攀用のロープ持ってきてたよな? あれで縛って連れて行こう。」
「ほっとけばいいのに・・・。」
「ダメだ。一応ハンターとして、変異体の保護は義務だし。それに・・・」
「・・・それに?」
「・・・正直、また何か厄介なのが来るんだろうなぁって、何となく予感はしてたんだよな。」


で、結局こうして村までこいつを引っ張って来た訳だが・・・。
「なー飯まだかよー!? 腹減ったぞおい!」
「だぁもううっさい! 雪でも食ってろ!」
帰ってきてすぐに、ギルドに引き渡そうとしたのだが「俺はトトルに勝つまではここを離れる訳にはいかねー!」と大暴れするものだから、本人(本竜?)の意思を尊重すると言うギルドの方針には逆らえず、やむなく我が家の住人となってしまった。
しかもこいつがよく食うわ喚くわで、何度叩き出そうと思ったことか・・・。
だが寒さに強いのもあって、冬の間でもポポやガウシカを獲って来てくれる、という点だけは助かっている。
なので、無碍に追い出すと言うことは無いのだが・・・
「あ! トトルッ! 今日こそは俺が勝つぜぇ!」
「・・・うるさい。」
「げふっ!?」
あ、今日も一撃でやられた。
「ちくしょー! 覚えてろよ!」
「・・・毎日元気がいいなぁ・・・しかし、どうしてあそこまでトトルとの勝負に拘るんだあいつは?」
「・・・樹海に居た頃に、ライドラスがやって来て、縄張りを巡って何度か戦った事がある。」
「あ、それであの傷が付いたのか。」
「あぁ・・・でもあれは俺が付けたんじゃない。あいつが曲がりきれなくて、樹にぶつかって切っただけだ。」
「・・・」
「それにあの頃は毎日が縄張り争いだったから、いちいち誰と争っていたかなんて、覚えてない。」
「・・・ライドラス・・・。」
なんと言うか・・・うん・・・まぁ・・・


頑張れ・・・



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コメント

アホの子ティガかわいいですvv応援してあげたくなる(笑
思わずときめいてしまいましたv

  • 2008/11/07(金) 00:37:10 |
  • URL |
  • 蒼 #ofxKis3k
  • [ 編集 ]

あー…瞬殺された…しかも傷の原因が…それはそれで可愛げがあっていいかもしれませんが…
また旦那さんの家が賑やかになりますね。

  • 2008/11/07(金) 11:50:25 |
  • URL |
  • kei #VigCwx8I
  • [ 編集 ]

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