赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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53-1:新雪は猛き轟竜の為に(前編)

タイトルがどう見ても5面のボス戦BGMだけど
まぁ内容とは特に関係ないので気にしない気にしない。
そんな感じでどうぞー。




ククルが来てからは慌しい日々が続き、気が付けばポッケ村は冬篭りの支度をする時期になっていた。
冬ともなればこの辺りはほとんど雪で埋まってしまう為、出歩ける今の内にありったけの備蓄を掻き集め、冬が来れば家の中でじっとそれが過ぎ去るのを待つ。それがポッケ村での冬の過ごし方だ。
そんな中でも狩りに出かける命知らずなハンターもいるが・・・まぁ俺も去年くらいまでは食い扶持を稼ぐ為に出歩いたりもしたが、今年はトトルのお陰で大分家計に余裕ができたし、家の中で冬を過ごせそうだ。
面倒な雪かき作業も、ガランのお陰で楽に済ませられるというのが去年証明できたし、何も心配する事は無い・・・筈だったのだが・・・。
「にぅー・・・」
「はぁ・・・温かい・・・。」
暖炉の前で二人一緒にごろごろしているトトルとククルを見て、俺は溜め息をつく。
傍から見れば、膝に子供を抱えて暖を取る微笑ましい親子像なのだが・・・。
「だぁもう! 今からそんなに薪使ったら冬越せねぇだろうが!」
「でも・・・寒い・・・。」
「にぅー・・・。」
寒がりなこの二人のせいで、思っていたよりも薪の減りがずっと早いのだ。
これじゃいくら薪があっても足りそうにない。
「ったく・・・どうにかならないのかその寒がりようは・・・。」
「・・・無理。」
「にー・・・。」
・・・くそう、二人してそんな訴えかけるような目で見やがって!
しかし実際問題、薪が足りないのも事実なのだ。
ホットドリンクで代用しようにも効果は長続きしないし・・・ククルにはまだ辛すぎるだろうしなぁあれ。
んー・・・何か薪の代わりになりそうなもの・・・あ!
「そうだ! 雪山草!」
去年寒さで倒れてたトトルがすぐ元気になったくらいだし、多分ククルにも有効だ。
まだこの季節なら雪山の雪もそこまで深くないし・・・よし。
「トトル、雪山草取りに行くぞ!」
「・・・あ、あんな寒いとこ無理・・・。」
「ホットドリンクで誤魔化せる! あ、そうだ。ガランも来い。雪山ならお前の庭みたいなもんだろ。」
「えー? それだったら別に俺一人でも・・・」
「お前だけに任せたんじゃ心配でならん。第一、草の見分けなんて付かないだろ。」
ガランは石が主食な為、石の見分けは付いても、草の見分け方は分からないのだ。
ちょうど人間が、食べられる野草の見分けが付いても、美味しい石の見分け方が分からないように。
「あ、それもそうだな。じゃ今から行くか?」
「今から行けば日暮れ前には帰れるな。よし、早速準備だ。・・・こらトトル逃げるな!」
「だ、だってククルを置いていけない・・・!」
「子供をだしに言い訳しない! アイルーたちも居るし、いざとなったらアンナを呼ぶように言っておくから!」
「う、うぅ・・・」



「さ、ささささ、さむ、寒いいいいい」
「だぁもうそんな引っ付くな! 歩きづらい! ホットドリンク飲んだだろ!」
「あーずりぃ! 俺も寒いー!」
「お前鋼龍だろうが! うわやめろ肌が引っ付く! 取れなくなる!」
道中そんな調子で山を登りつつ、どうにか中腹までやってきた。
さっそく洞窟の脇に生えている雪山草を見つけ、採取に取り掛かる。
まだこの季節じゃあまり生えてないけど、どうにか沢山採って帰らないとなー・・・。
「ほらトトル、お前も手ぇ動かせ、ククルの分も要るんだから。」
「わ、わかった・・・。」
渋々といった様子でトトルも採取していく。
寒い寒いと言うからマフモフ一式着せた上にホットドリンクまで飲ませたって言うのに・・・全くどこまで寒がりなんだか・・・。
「・・・ふー、この辺のは大体採り尽くしたっぽいな。頂上行くぞ。」
「・・・え? もう帰るんじゃ・・・?」
「まだ来たばっかりだろ! ・・・あぁもうしょうがないな、頂上で採取し終わったら、もう帰るから・・・。」
「・・・あ、あぁ! わかった!」
ったく・・・ホント調子いいやっちゃ・・・。
と、そんなことを話していると、不意に上空から声がした。
「おーい、採ってきたぞー!」
「・・・ガラン? 居ないと思ってたら先に頂上行ってたのか?」
「おっ先ー! あ、あと草はどれか分かんないから適当に引っこ抜いてきた!」
「ふむ・・・あ、これだこれ。これで合ってるよ雪山草。」
「ホントか!?」
「うん。これだけありゃ充分だな。よくやってくれたなガラン。」
何だこれなら本当にこれでガラン一人でも良かったかも・・・。
まぁとにかく雪山草は集まったし、よしとしよう。
「へっへー! もっと褒めてもいいんだぜ?」
「あ、あり、ありり、ありがとうガランンンン」
「うわトトル大丈夫か!? 今にも死にそうだぞ!?」
「ま、今はとにかく帰る・・・っ!?」
俺は咄嗟に顔を上げ、辺りを見回す。
はらはらと舞う雪以外に動く物が無い雪原に、一瞬、雪の冷たさではない、何か別の冷たさのようなモノが走ったような・・・。
二人の方を見ると、どちらもやはり何かを感じ取ったのか、鋭い視線で辺りを見回していた。
おかしい・・・この時期は動物達も休眠期に入るので、大型モンスターも例に漏れず眠っているはずだ。実際、雪山に入る時には、この辺りでの大型モンスター狩猟依頼は無かった。
だと言うのに・・・この気配は正しく大型モンスターのそれだ。
しかし姿も見えないなんて・・・勘違いか?
いや俺だけならともかく、三人が同時に勘違いするとは思えない。
見えないってことはオオナズチの類かもしれないが、オオナズチがこんな寒い場所で現れたなんて聞いた事が無い。
じゃあ何故・・・
「・・・上だっ!!」
ガランが鋭く叫ぶ。
だが見上げる暇も無く、目前の地点にその何かが降り立ち、風圧で雪煙が舞う。
俺は思わず両手で顔を雪から守ろうとしたが・・・
「・・・あれ?」
何か・・・思ったより雪煙の量が少ない?
大型モンスターの重量だと、降り立った時に辺り一体に雪が飛び散るのだが、今のやつは周囲数メートル程度にしか雪が舞っていない。
ということは、随分小さい・・・?
いや、小さくても気配は大型モンスターのもの。
モンスターは種類が同じでも、個体差で体の大きさがかなり違う。
最小金冠サイズと呼ばれるものだと、平均よりかなり小さくなったりする。
しかしそれでもモンスターはモンスター。危険な事には変わりない。
俺はこういう時の為に持ってきた弓を取り出し、矢筒に手を伸ばす。
後の二人も、既に戦闘態勢だ。
やがて、雪煙が風で流れ、モンスターの姿が徐々に露わになる。
だがそこに居たのは


「久し振りだなぁ! トトルゥ!!」


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コメント

更新お疲れ様です。
待ってました、ティガですね!力強くてカッコいいけどたまに可愛い所がある…気がします…

  • 2008/11/05(水) 11:16:23 |
  • URL |
  • kei #VigCwx8I
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