赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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49:お兄ちゃんのお役目

またまたお子様ネタですが
まぁどうぞ




ククルが我が家にやってきてそろそろ一月、生活のサイクルもそれに合わせて安定してきたかなーと言う頃、タイミングを見計らったかのように、彼女達はやってきた。
「ごめんくださーい。」
「はーい・・・あ、アンナいらっしゃい。コウライも。」
「あー・・・ゆーりー!」
「おぉ元気いいなー。コウランもいらっしゃい。」
「いらっしゃーたのー!」
うんうん、やっぱり子供は元気が一番だなー。
ククルも元気は元気なんだけど・・・やっぱ男の子と女の子じゃ種類が違うんだろうか?
「トウマー! アンナ達が来たからお茶淹れてくれないか?」
「了解しましたニャー!」
「あらそんな、よろしいですのに。」
「まぁいいからいいから・・・それよりすっかり大きくなったねコウランも。言葉もはっきりしてきたし。」
「ゆーりー、てーてー」
「ん? 手? はい。」
「えへへー!」
差し出した手をコウランは嬉しそうに握り返す。
いやホント、最近は夜泣きや雷も少ないし、赤ん坊の成長って早いなー。
「あ、そういや今日はどうしたの?」
「えぇ実は・・・コウランと、あとククル君のことで。」
「ククルの?」
「うむ・・・まぁ何と言うか・・・コウランとククルは共通点も多いから、一度会わせてみてはどうかと思ってな。仲良く出来たらいいんだが・・・」
「あぁなるほど。」
片やキリンの変異体とハンターのハーフ。
片や変異薬のせいで体が不安定なナルガクルガの雛。
どちらも変異薬に深く関わった者同士だ。
「んーでも、ククルはまだ体の変化を上手く抑えられないし、危ないかもしれない・・・もしコウランに怪我でもさせちゃったら・・・」
「ユーリ、お茶。」
「お、ありがと・・・ってククル!?」
お茶を持ってきたのはトウマではなく、何故かククルだった。
「トウマは!?」
「今忙しい、って。」
「あの野郎・・・!」
「まぁまぁ、どうもありがとう。」
「・・・!」
アンナのお礼にびっくりしたのか、ククルは物凄い勢いでこちらを見てくる。
あーそっか学校の友達はまだしも大人はまだ人見知り気味だからなー・・・。
「ククル、こういう時は、どういたしまして、って言うんだ。」
「ど・・・どういたし、まして。」
「ん、よくできました。」
ぐしぐしと頭を撫でてやると、少しはにかんだ様に笑って、俺の後ろに隠れてしまった。
「ごめんな二人とも、どうもまだ人見知りするみたいでさ・・・。」
「いや、人間にあんな目に会わされた後じゃ無理も無い。」
「そうですよ。どうか気に病まないで下さい。」
「うん、ありがとう・・・ククル、お茶ありがとうな。もう行ってもいいぞ。」
「・・・ん」
だがククルが部屋を出て行こうとした時、突如コウランが声を上げる。
「あーっ! あーうーっ!」
「あら、どうしたのかしら・・・?」
「コウラン? どうしたんだ?」
「あーう、あーっ!」
コウランは腕を振り回しながら、何かに手を伸ばそうとしているように見えた。
そしてその手の先は
「・・・ククル?」
ククルの方もククルの方で、じっとコウランを見詰めている。
・・・もしかして、自分より年下の子が珍しいんだろうか?
こんな状態が数秒続き、やがてククルからアンナに抱かれているコウランへ近寄っていった。
「・・・」
コウランの顔を覗きこみ、微動だにしないククル。
一方コウランは手を伸ばしてククルの耳や頬を引っ張る。
だが、それでもククルは動かない。
またそんな状態が数秒続き、やっと、ククルが口を開く。
「・・・触って、いい?」
「え・・・? あ、えぇ、大丈夫ですよ。」
おっかなびっくりと言うか、壊れ物を触るかのような具合に、ククルはコウランに触れる。
手や頬をふにふにとつつくと、コウランもくすぐったいのか笑顔になる。
お、これはもしかして・・・結構いい感じ・・・?
と、思った矢先、ククルの指先がコウランの角に触れてしまう。
「やっ!」
「!?」
バチッと音を立てて電流が走る。
流石にこれにはびっくりしたのか、ククルは瞬く間にモンスターの姿に戻って俺に抱きついてきた。
「にーっ! にーっ!」
「おぉよしよし、もう大丈夫だぞー・・・。」
うーん・・・行けるかと思ったんだけどな・・・。
「きゃー! あー!」
だがコウランの方はククルの変身が殊の外気に入ったらしく、手を叩いて喜んでいる。
「いいかー、バチッとするのがやだったら、コウランの角は触っちゃダメだからな?」
「にー・・・。」
「あらあら・・・ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「あー・・・まぁちょっと大きな静電気程度だったみたいですし、大丈夫ですよ。」
「はぁ・・・こんな調子で大丈夫かしらコウランったら・・・。」
「きゃーきゃー!」
「だがコウランの方はククルの事が気に入ったみたいだぞ。」
「全く・・・人の都合もお構い無しなんて、誰に似たのかしら?」
「あははは・・・」


だがこの顔合わせが功を奏したのか、それ以来ククルとコウライは会う度に仲良くなっていった。
これを機にお兄ちゃんとしての自覚を持って、しっかりしてくれると助かるなぁ、なんて思ったんだが・・・


「にー!」
「きゃっきゃっ!」
「おー・・・今日は耳を盛大にいじられたなぁ。」
「ユーリ! こうらん、コワイ!」
「あーぅ!」
「きーっ!」
会う度にククルに生傷が増えるんだよなぁ・・・。
どんな遊び方してるんだこの二人・・・。


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