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赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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4-2:濡羽色の尾(後編)

続きです。お待っとさんです。




「ユーリ。起きろ。」
「ん~・・・?」
体を揺すられて目を開けると、そこは家のベッドの上だった。
「あれ・・・俺達集会所に居たんじゃ・・・?」
「ユーリが寝てる間に帰ってきた。」
あぁそっか俺途中で寝ちゃったんだ・・・。
「旦那さん起きたかニャー? 水持ってきたニャ。」
「あぁ、トウマありがと・・・。」
水を運んできてくれたトウマに礼を言って、そのまま呷る。
喉の渇きが収まると同時に、徐々に意識が覚醒してきた。
あれ・・・? そういえば前にもこんなことが・・・っ!?
もしやと思って自分の服装を確認するが、ちゃんと狩りの時の防具のままだった。
ふー・・・全く心臓に悪いなぁもう・・・。
「ユーリ・・・? どうかしたのか?」
「あ、いや、別に何でもないんだ。うん・・・あ、そういやコタローは? もう寝ちゃったのか?」
ごまかす為にトウマにそんなことを聞いてみると、漫画で見るような「ビクッ」とした反応を返した後、しどろもどろで答えてきた。
「ニャ!? ニャニャ・・・そ、そうですニャ! もう疲れたから今日は寝るそうですニャ!」
いや、そうですニャってお前・・・恐ろしい速度で目が泳いでるぞ。
「お、オイラももう休もうかニャー・・・あはは・・・お、お休みなさいですニャ!」
そう言ってトウマは逃げる様に台所に引っ込んでしまった。
何なんだ一体・・・?
まぁ、今日はもう遅いし明日聞けば良いか。
「さてと、じゃ俺たちももう休むか。」
俺は立ち上がって防具を外していく。
しかしこの防具外すのが面倒なんだよなー・・・。
「ユーリ。」
「んー? 何・・・どあっ!?」
呼ばれて振り向いたらいきなり眼前にあるトトルの顔に、俺は思わず後ずさる。
「び、びっくりさせるなよ・・・。」
「さっきの話なんだが。」
「へ? さっきの話?」
「欲しいものはないか、という話だ。」
「あ、あぁ・・・何だ、もう決まったのか?」
「ユーリ。」
「ん? だから何だよ。」
「だから、ユーリ。」
「そう何度も呼ばなくても分かるって。だから何だよ。」
「ユーリが欲しい。」
・・・はい?
「より詳しく言うと、『めいどふく』を着たユーリが欲しい。」
・・・んん~? 
「更に言うと、『めいどふく』を着たユーリとえっちなことがしたい。」
・・・OKOK。わかったぞ。
「トトル。ちょっとここに座りなさい。」
「・・・? こうか?」
素直に床に座ったトトルの裏に回り、俺はその頭を両手で包むような体勢をとる。
そして手を拳骨にして
「どこでそんな事覚えたんだ馬鹿蝙蝠がああああ!!」
「いっ! い、いだだいだいいだいユーリいだいいいいぃぃ!!」
両側からこめかみ目掛けて力いっぱいめり込ませたのでした。


「コタローやトウマの変な話を真に受けるなって言っただろうが!」
「で、でも仲のいい人間同士はそういうことをするんだって・・・。」
「そういうのはごく一部の人間の趣味だ!」
「そ、そんな・・・ユーリなら『めいどふく』似合うと思って・・・。」
「似合う似合わないの問題じゃないの!」
「で、でももう服は用意してしまったんだ・・・。」
「はぁ!? 何時の間に!?」
「さっき、ラジーに・・・。」

以下トトルの話の要約

「可愛いって聞いてプライベートシリーズ作ってみたんだけど私みたいな体格だと恐ろしく似合わないのよねー。けど作るの苦労したから売るのも捨てるのも勿体無いし、かといって誰かに譲ろうにも、私のサイズ着こなせるハンターの女の子の知り合いもいないし・・・。」
「ユーリに着せればいい。」
「あ、やっぱトトルもそう思う!? 私もそう思ってたのよねー! サイズが同じくらいで似合いそうなのユーリしか思い浮かばなくってさー。じゃ後で送るわねー。」

以上要約

ラジー・・・!
何考えてるのラジー・・・!
「と、言うわけでほらここに。」
そう言って差し出された紙袋にはしっかりプライベートシリーズが。
「・・・ダメか?」
ぐぅ! くっそ、だからナルガクルガの癖に捨てられた小動物のような目で訴えかけるんじゃねぇ!
・・・えぇい! どうせもう二度もやっちまったんだ。今更三度目くらい!
「・・・っいいか!? 着替えるだけだぞ! その先は無しだからな!」
「ユーリ・・・!」
だ・か・ら! そんな満面の笑みで喜ぶな!
とにかくさっさと着てさっさと脱げば終わりだこんなもん!
と、思ったのだが、意外な難関が俺の前に立ちはだかる。
どういう構造してるんだこの服・・・どうやって着ればいいんだ?
白いレースとフリルで固められたそれは、俺にとっては異次元からの物体Xだった。
「・・・手伝うか?」
「え? トトルやり方わかるのか?」
「ラジーに聞いた。」
変なとこで抜け目がねぇなおい。
だがその言葉は確かで、ものの10分と経たぬ内にプライベートシリーズは俺の肌を覆った。
仕上げに何故か同封されていた伊達眼鏡をかけ、姿見の前に立つ。
黒と白のモノトーンで構成された、優美ながら機能も忘れないデザイン。
あぁこれを着てるのが女の子なら確かに嘆息モノだ・・・・。
だが自分自身が着てるんじゃな・・・最早何も言うまい・・・。
「・・・これで満足か?」
「・・・できれば下着も替えて欲しかったんだが・・・。」
と言いつつ同じく何故か同封されていたレースの下着を名残惜しそうに握るトトル。
うるせぇこの変態蝙蝠野郎。
全くどこをどう間違ってここまであのレイパーたちに毒されてしまったのか・・・。
まぁもう今日は色んな意味で疲れた。
さっさとこれ脱いで寝よう・・・。
着るのは無理でも脱ぐのはどうにかできそうだ。
そう思って腰の後ろの結び紐に手をかけようとした時、その手を掴まれた。
「・・・トトル?」
「ゆ、ユーリ・・・。」
ハァハァという息が届きそうなほどの距離に詰められ、何時の間にか俺は逃げ場を失くしていた。
「ちょ! これ以上は無しだって言っただろ!?」
「ユーリ・・・ユーリ・・・!」
どう見ても目が真っ赤です。本当に(ry
ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ!
はやくどうにか・・・! って、んん? トトルのハァハァ言ってる息の匂いが・・・。
「トトルお前・・・もしかして酔ってる!?」
「ユーリ・・・可愛いよユーリぃ・・・」
微妙にだけど顔も赤いし呂律も回ってない。
そういやさっき意識を失う寸前に甘くて美味いとか言ってガンガンワイン飲んでたような・・・。
今まで飲んだ事無いくせに一気に飲んだからこんなことに・・・。
だが冷静に分析しても事態は一向に良くならない。
どうにか逃げようともがいても、トトルの腕力には抗いようが無い。
こんな時だけ飛竜らしい馬鹿力使いやがって・・・!
「ん・・・っぷ、はぁ、ん」
「トト、っる、やめ・・・!」
上着をたくし上げられ露わになった胸に吸い付かれ、俺は身震いする。
きっ、牙が、牙がちくちく当たって・・・!
「だ、ダメだ! コタローたちが起きてきたら・・・!」
「だい、じょうぶ・・・邪魔しないように言っておいた、から。」
あいつらの様子がおかしいと思ったらそういうことか!
「ユーリ、ユーリ・・・。」
うわごとの様に俺の名前を呟き続け、トトルは唇を重ねてくる。
俺は何とか逃れようと目線をあちこちに飛ばすが、ふと、トトルの濡羽色のしっぽに目が止まった。
狩りで見かけるのとは違う、柔らかくしなやかに、輪を描くようにふるふると揺れる尾が、いやに艶かしい。
「ん・・・」
トトルの吐息にあわせ、ぴくんと波打つその様がちょっと面白くて、俺は試しにトトルの舌へ自分の舌を絡ませてみる。
「ふぁ・・・んぅ」
俺が舌を動かす度に、それに反応して先端が震える。
・・・何だか、ちょっとかわいい?
・・・・・・っは!? な、何考えてるんだ俺は!?
「ユーリぃ・・・。」
だが甘えるようなトトルの声を聞いた記憶を最後に、俺はそのまま色々と手放してしまっていた。



翌朝、お互い何も着ないまま同じベッドで目を覚まし、その下に広がるプライベートシリーズの残骸を、一緒にぼーっと眺めていた。
「・・・ごめんなさい。」
「いやまぁ・・・半分俺も同意したようなものだし、な・・・。」
トトルが本当に申し訳無さそうにへこむものだから、俺もつい許してしまう。
まぁ慣れない酒のせいってのもあるし、そこまで責めても・・・な。
「あの、ひとつ、聞きたい。」
「ん?」
「その、何で尻尾を見てたんだ?」
うへぇばれてら。
「正直、あんまり見て欲しくない・・・。」
「え? あ、そだったのか?」
「俺の尻尾は、あんまり・・・綺麗じゃないから。」
寂しそうな目をしながら、トトルは自分の尻尾を撫でる。
そういえば、聞いたことがある。ナルガクルガは尻尾の長さや美しさで、異性にモテる度合いが決まるらしい。
とは言っても、俺にはトトルの尻尾が優れているのか劣っているのか、いまいちよく分からなかった。
「そうか? すごく綺麗だと思うけどなぁ。毛並みも色も。」
なので、自分の正直な感想を述べる。
「そ、そんなことない・・・。」
顔を真っ赤にしてそれを否定するトトルが無性に可愛らしくて、悪戯心が湧いてきた。
トトルの体を引き寄せ、耳元で、尻尾を見ていた理由を囁く。
すると、もう本当に火が出るんじゃないかってくらい更に真っ赤になって、声にならない声を上げ始めた。

昨日あれだけされたんだから、これくらいの仕返しは許されるよな?

窓からは、暖かな風と鳥の声が流れ込んでくる。
今日も騒がしいけれど、楽しくていい一日になりそうだ。


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