赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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31-1:査察の査察(前編)

たまにはあー君の話も書いてあげないとなーって書いてみたが
あー君自身の出番が少ない・・・。
まぁどうぞ。




ポッケ村の朝市は、小さいながらも多くの品々が集まる。
生活に必要な物も大体買い揃えることが出来るので、週に何度かは出向いて買い物をするのが俺の習慣だった。
「えーと・・・他にもう買い漏らした物無いよな?」
「ソウルビーンズ・・・ウォーミル麦・・・五香セロリ・・・大丈夫だ。全部ある。」
「よし、じゃあ食料はこれくらいにして、次は狩り用のアイテムを・・・」
「・・・。」
「こら無言で長寿ジャムを持ってくるな!」
「・・・ダメか?」
「・・・あぁもう、わかったよ! 一個だけだからな!」
「ありがとうユーリ」
くっそこんな時だけいい顔しやがって・・・!
これだからトトルを市に連れてるのは嫌なのだ。
かといって一人で行くと拗ねるし、トトルだけで行かせるとそれこそ甘い物ばかり買ってくるし・・・。
「はぁ全く・・・っと!」
「おっと! すいません、大丈夫ですか?」
考え事をしていたせいで、人とぶつかってしまった。
畜生これもトトルのせいだ後で尻尾踏んづけてやる。
「いえこちらこ・・・そ・・・。」
謝る為にその人の方に目を向け、思わず固まってしまう。
その人がポッケ村で見たことの無い顔だというのもあったが、何よりその格好に驚いたからだ。
絹やサテンを惜しげもなく使いながらも、渋い色合いで染められ嫌味の無い瀟洒な衣服。細々とした装飾品にもさりげなく金銀が使われていて、その人の身分が一角の物であるという事を物語っている。旅装用のマントにいたっては豪華な刺繍が施されていて、どう考えてもこんな片田舎の村の朝市に居る様な格好ではなかった。
・・・えーと・・・俺もしかして夢でも見てるのか?
「・・・あの、何か?」
「・・・はっ! い、いえ!」
何時までも固まっている俺を不審に思ったのか、その夢の中の登場人物が声をかけてきた。
声の方も落ち着いた感じのいい声で、格好と相俟って王子様みたいだ。
「お、俺の方こそすいません! 服とか汚れませんでした!?」
「いえ大丈夫です。あ、あの」
「な、何でしょうか!?」
「実は不慣れな場所で道に迷ってしまいまして・・・この市を抜けるにはどちらに行けばいいんでしょうか?」
俺はそこで初めて、格好ではなくてその人の困った顔を見た。
薄い金の髪に、青い瞳。綺麗に整った顔立ちは、正に貴族然としている。
・・・あれ? でもこの顔どこかで見た気が・・・。
「ユーリ。」
「・・・ん? どうしたトトル?」
「皆が見てる。」
言われて周りを見てみれば、店を出してる人も通りを歩いている人も、こちらの方を伺うようにして見ている。
原因は・・・まぁどう考えてもこの人の格好だよな、うん・・・。
「・・・あの、よければご案内しましょうか?」
「え!? 本当ですか!? 良かった・・・さっきから全然抜け出せなくて困っていたんです。」
・・・そんなに迷う程広い市ではない筈なんだが・・・まぁ初めて来たなら複雑で迷う事もあるか。
「じゃこっちです。付いて来て下さい。」
「あ、はい。」
「・・・ユーリ、買い物の途中なのにいいのか?」
「また後で来ればいいだろ。それにこの人をあそこで放っておいたら、それこそどうなるかわからんし。」
まぁもう色々噂があちこち飛んでるだろうな。
ポッケ村みたいな小さい村だと、これだけでちょっとした騒ぎになりかねない。
「どうも助かります・・・。ついさっきこの村に着いたばかりで、右も左も分からなくて・・・。」
「あ、そういえばどうしてポッケ村に? もしどなたかを訪ねてきたなら、お宅まで案内しましょうか?」
「何から何まですいません・・・実は、弟の様子を見にここまでやってきたんです。」




「キーツ! 今すぐ荷物をまとめろ!」
「わっ! 何どうしたのあー君?」
「今しがた手紙が届いたんだよ! やつらが来る!」
「やつら・・・って、それってまさか・・・!」
「兄貴達だよ!」


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