FC2ブログ

赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

23-2:何時までも子供と思うなよ(中編)

お待たせしました続きです。
どうぞー。



「ガラーン、今日の分の石持って来たぞー。」
「おーありがとなー。」
あれから数日、アーヴィンやラジーにも手伝ってもらって鉱石を掻き集め、ガランの脱皮への準備は順調に進んでいる。
錆の方も、そろそろ体の半分を覆っているような状態だ。
「けどなんだよな、俺の食い物なのに、俺が採りに行かなくてもいいのか?」
「本当ならそうしてもらうのが自然なのかもしれないけど・・・こないだみたいにどこかで倒れられても困るし、変異薬の影響もまだ分からないからなぁ・・・なるべく家で安静にしててくれ。」
「りょーかーい。でも飯はともかく外に出られないと暇なんだよなぁ・・・。」
「ならほれ、コタローとトウマが。」
「ニャー!? 最近の旦那さんはオイラ達の扱いが酷すぎるニャ!」
「ま、まさかまだあの夜のことを・・・!?」
「ははは何を言ってるんだ二人ともははは。」
「目が! 目が笑ってないニャー!」
「むしろ笑顔も怖いニャー!」
「やったー! じゃ何して遊ぶ? 猫ロシアンルーレット? 猫ヒゲ危機一髪? 猫落とし?」
「どれも危険な響きしか無いニャー!」
「旦那さーん! 置いて行かないでニャー! ニャ、ニャーー!!」


「ふぅ・・・いやぁ、子供の遊びってのは可愛いもんだなぁ。」
「・・・ユーリ、石採ってきた。」
「お、おかえり。お疲れさん。」
何時の間にか玄関に戻ってきたトトルから石を受け取り、その個数を数える。
ひーふーみー・・・・うん、これならあさってまで持ちそうだ。
「ありがとうな。これでどうにか脱皮までかこつけると思う。」
「そうか・・・。」
・・・あれ? 何か元気が無いような・・・。
「トトル? どうかしたのか?」
「い、いや・・・何でも・・・。」
不自然に目線を逸らされて「何でも・・・」って言われてもなぁ・・・。
俺はトトルの尻尾の方にちらりと目をやる。
こういう風に垂れたままぷらぷら揺れてる時はー・・・
「・・・ごめんな。今はガランの事でバタバタしてるから、これで許してくれ。」
「・・・!」
抱き締めて背中をポンポンと軽く叩いてやると、トトルのほうも無言で抱き締め返してくる。
最近はトトルの尻尾を見ても大体の感情がわかるようになってきた。
あんな感じで揺れてる時は、「寂しい」って思っている、と言う具合に。
・・・何だか段々自分まで人間離れしてる気がしてきた。
「さ、脱皮まであともう少しだからな。頑張ろう。」
「・・・あぁ。あ、あの、ユーリ・・・」
「ん?」
「もう少し・・・。」
「・・・はいはい。」


それから更に数日、錆がほぼ全身を覆い、いよいよ脱皮が近くなってきた。
その頃になると流石にガランも大人しくなり、腹減った遊びたいなどと騒ぐ事も無くなった。一日のほとんどを眠って過ごし、時々少し起きてはまた眠る、というようなことの繰り返しだ。
「全く・・・まるでこないだのトトルみたいだな。」
「・・・トトルもこうなってたのか?」
「あぁ、ちょうどガランと会った頃だな。冬に慣れてないから、暖炉の前でずーっと眠りこけてた。」
「・・・それはちょっと見てやりたかったかもなぁ。」
そして、こうして起きている間も、どこか反応が鈍いというか、意識がおぼろげになっていた。
そんな状態で、傍に誰も居ないのはどんなに心細いだろう。
そう思った俺は、ガランが起きてる間はなるべく傍に居て話す様にした。
「なぁユーリ・・・俺のつがいになってくれって言ったの、覚えてる?」
「・・・あぁ、覚えてる。」
「あれ、結構本気だったんだぜ・・・? けどその後ですぐトトルとつがいになっちまうし・・・。」
「あ、あれはだな・・・その・・・」
「だからな、ちゃんと脱皮して大人になったら、俺と・・・」
「・・・ガラン? 眠ったのか・・・?」
次に眠れば、そろそろ脱皮が始まるだろう。
先生はそう予想していた。
「ガラン・・・頑張れ・・・。」
錆だらけの手を握って、俺はそっと呟いた。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://akatoraairu.blog36.fc2.com/tb.php/45-84d3c0c6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。