赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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19-1:芽吹きの季節(前編)

ここはひとつ定番ネタも挟んでおきたくてですね。
まぁどうぞ。




思えば、どうにも最近のトトルは様子がおかしかった。

「・・・。」
「お、トトルここにいたのか。今度の狩りについてなんだけど」
「・・・! う、あ、あとで聞くっ!」
「え? あ、ちょ、どこ行くんだ!?」
俺の顔を見るなり逃げ出したり

「トトル? どうしたんだそんなにそわそわして。」
「な、何でもないっ!」
落ち着きが無かったり

「トト」
「俺のことは放っておいてくれ!」
あれだけベタベタしてきたのが急に離れたがったり


「・・・とゆーわけなんだけど、どう思う?」
「・・・何で俺にそれを聞くんだよ。」
アーヴィンは相変らずのしかめっ面で言う。
まぁ確かにそうだよな。立場が逆でも俺も同じことを言うだろう。
こういうことは書士隊の知識もあり、コウライとの、つまり変異体との付き合いがこの中じゃ一番長いアンナに聞くのが常道だろう。
「いや、確かにアンナに聞こうとも思ったんだけど・・・ほらもうすぐ出産日も近いって言ってたし、あんまり悩み相談で逆に悩ませるような真似もしたくないし・・・。」
「まぁ、そりゃそうかもしれないけどよぉ・・・正直そういうのは俺もまだよくわからねぇんだよな・・・キーツとの付き合い自体は長いが、人の姿になったのはつい最近だし・・・。」
「お茶入りましたよー。はいどうぞ。」
「お、ちょうどいいや。おいキーツ。」
お茶を持ってきたキーツさんに、アーヴィンはトトルのことを伝える。
すると、見る間にキーツさんの顔が赤くなっていく。
「う、うぇ・・・!? あ、あのユーリさん・・・そういうことはその・・・あんまり人には言わない方がいいと思いますよ・・・?」
・・・意味が分からない。
トトルの最近の行動は、そんな恥ずかしがる類のものなんだろうか?
「でも、何か重要なサインなのかもしれないし・・・。仮にもつが・・・じゃなくて、トトルの身元を引き受けてる身としては、何かあったら困るし・・・。」
「え、ええとですね・・・確かにその、重要なサインには変わりないんですが・・・多分ユーリさんの考えるようなものじゃないですよ。」
ますます分からない。
重要だけど、俺が考えてるようなものじゃない?
命に関わるようなものじゃないってことだろうか?
「・・・っだーっ! まどろっこしいな! 何なんだよわかってるならはっきり言え!」
とうとうアーヴィンは痺れを切らしてしまった。
「い、言えないよこんなこと! えと、ユーリさん、こういうのは本人から聞かないといけないことだと思うから、私の口からは言えません。ごめんなさい。」
「はぁ・・・。」
本人から聞けそうにないから相談に来たんだが・・・。
まぁ無理に聞き出しても後味が悪いし、ここは引き下がろう。


「で、結局アンナのとこに来ちゃう訳か・・・。」
アンナとコウライの家先で、俺は肩を落とす。
結局あれから色々考えてみたが、いい解決策が思い浮かばなかったのだ。
困った時のアンナ頼みが最近慣例化してて、どうにも情けない気分だ。
「アンナー、居る? お邪魔するよ。」
「あ、ユーリさん、いらっしゃい。どうかしました?」
「えーと・・・トトルのことなんだけど・・・。」


「あらあら、ふふ、それはまぁまぁ。」
一通り話し終えると、アンナは何とも嬉しそうな様子で笑う。
いや、笑うというより・・・ニヤニヤしてる?
「結論から言ってしまいますとね、キーツさんの言うとおりですね。ユーリさんが心配してる類のものじゃありませんよ。」
「じゃあ、何なのさ?」
「それもキーツさんの言うとおり、他人が言う事じゃありませんね。」
「・・・。」
「ふふ、困ってますね。」
だからここに来たんだってば。
「じゃあその道の先輩として、ひとつアドバイスしますね。」
「アドバイス? 何々?」
この際、どんなものでも構わない。
ひとつでも情報が欲しい。

「メイド服を着てあげて下さい。」

・・・はい?


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