赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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16-1:春の来訪者(前編)

こんなにキャラ出して大丈夫か不安になるけれど・・・まぁどうぞ。




「・・・。」
「・・・。」
「で、この先でY字路になってるんで・・・。」
「二番と三番のエリアに繋がってるわけですね。」
「そうですそうです。で、二番の方では光蟲が捕れるんで、もし閃光玉が足りなくなったらここで補充して・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
俺とキーツさんは、後ろ二人の重い空気になるべく触れないよう、何事も無いかのように散策を続ける。
「四番のエリアに行くには二番の方が早いですね。三番は崖を登らないといけないんで。」
「なるほどー・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
ちらりと振り返ると、トトルとアーヴィンは相変らず目も合わせようとせず、ぶすくれた顔のまま黙々と歩いている。
えーと・・・何でこうなったんだっけ・・・?


そろそろポッケ村も雪解けを迎え、日差しも徐々に暖かくなってきた頃、ハンターズギルドから通達があった。
何でもこの春からポッケ村に新しいハンターがやってくるらしく、そのハンターに狩場の案内をして欲しいとのことだ。といっても火山や森丘なんかの他のギルド支部でも管轄している狩場は既に経験済みだそうなので、ポッケ村の支部でしか管轄していない樹海や雪山のみでいいそうだ。
まぁそれくらいならということで引き受けたわけだが・・・。


「どうも初めまして。キーツ・ライアです。こちらは・・・えーと・・・」
「先生の弟子のアーヴィン・クラインです。よろしくお願いします。」
まさか二人も来るとは思わなかった。
というか・・・弟子?
俺は失礼だと思いつつも、二人の新しいハンターをまじまじと見てしまう。
キーツさんは俺より一回りほど年上の、やや頼りない感じの顔立ちだったが、身に纏った防具や武器はしっかり手入れされていて、熟練のハンターといった風格がある。
アーヴィンのほうは俺よりやや年下で、見た目だけならトトルくらいの歳だろうか。意志の強そうな目で、しっかり前を向いている。だが装備品はまだ初心者用の扱いやすい物で、確かにまだ教導する人間が必要な感じだ。
大抵の人間は、ハンターになる時は一定期間訓練所に放り込まれる。
だがそれ以降は独りでやっていくのも、仲間とやるのも猟団に属するのも自由だ。
だから師匠を見つけるのも弟子を取るのも、そんなに珍しい話ではない。
しかし・・・
「ちょ、アーヴィン君! だから僕はまだ弟子なんか取れるような人間じゃ・・・。」
「何言ってるんですか今更。」
なんかこの二人あんまり師弟といった雰囲気じゃないような・・・?
まぁ本人がそう言ってるならそうなんだろう、うん。
「よろしくお願いします。ポッケ村ギルド支部のユーライア・エリクソンです。こっちはトトル。彼は俺より樹海に詳しいので、何かあったら遠慮なく聞いてください。」
「・・・よろしく。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「・・・よろしく。」
「・・・。」
う、うん? 何か急にアーヴィンの顔が険しく・・・?
それに合わせるかのように、トトルの顔まで険しくなってくる。
「と、トトル? どうかしたのか?」
「・・・何でもない。」
「・・・それじゃ挨拶はこれくらいにして、出発しましょうか。」
「え、あ、アーヴィン君!? ちょ、待って待って!」
何だか不穏な空気のまま出発し、現在に至るのだった。


「・・・。」
「・・・。」
二人の無言の圧力に息苦しさを覚えつつも、樹海のマップを一回りし終えた頃には、日が傾きかけていた。
「それじゃ夜の狩場も見ておく為に、一旦ベースキャンプに戻って日が落ちるまで休憩しましょう。」
「わかりました。」
「・・・。」
「・・・。」
お、お願いだから二人とも何か喋って欲しいんだが・・・。
「す、すいません。彼、普段はこんなんじゃないんですけど・・・。」
「い、いえこっちこそ何だかすいません・・・。」
申し訳なさそうなキーツさんに、俺まで申し訳なくなってくる。
でも本当、トトルまでどうしたのか・・・。
確かに普段から愛想のある方では無いが、ここまで不機嫌丸出しにしたことなんて無いのに・・・あ、もしかして・・・。
困惑と不安を抱えたままベースキャンプに向かう道中で、俺はアンナに言われた事を思い出していた。


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