赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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1:黒猫の野望

とりあえず知り合いのサイトにも載せて貰った第一弾





「ど、どうしよう・・・。」
俺はその場から動けずに居た。
「ぐ、くっ・・・。」
無理に少しでも動こうとすると、ミリミリと音を立てて体が締め付けられる。
「ど、どうしよう・・・。」
俺はまた同じ台詞を呟き、身を縮こまらせる。
全く、どうしてこんなアホな事をしてしまったのか・・・。


事のおこりは数十分前まで遡る。
俺は昨日、武器工房のオヤジから、例のものが出来上がったと知らせを受けた。
そしてそれは今日、俺の家に届いた。
白と蒼を基調にした、眩いばかりの全身装備。

何頭もの幻獣を討ち果たした証、キリンシリーズ。

高い防御力と属性耐性、便利なスキルなど、ハンターの多くが憧れる垂涎装備。
それがやっと手に入った喜びで浮かれていたのは認める。
しかし俺は、それでもやってはいけないことをしてしまったのだ。

「これ、女物だよなぁ・・・?」
何故か俺の家に届いたのは、女物のキリンシリーズだった。
女性のキリンシリーズは男物より数段見た目がいいので、その人気は更に凄まじい。熱狂的なフリークも居るほどだ。
なので、恐らく工房が一番生産しているシリーズとも言える。
そのうちの一着が、男物に混じって俺の所に来たのだろう。

ここですぐに工房に連絡して交換してもらうべきだったのだが、魔が差してしまった。

見た所、大柄の女性ハンターが注文した物なのか、俺でも着れそうなサイズだ。
体に当ててみると充分入りそうだった。
「ちょっと着てすぐ脱げば別に大丈夫だよな・・・?」
別に女装に興味があるわけではないが、女性ハンターがどんな防具を使っているのか、同業者としての興味はあった。
男性の防具に比べてどうしても装甲が薄い物が多いのに、女性ハンターはよく狩りに行けるよなぁ、とか。

そして試しに袖を通してみようと思ったのが、全ての間違いの始まりだった・・・。

「ふむ。やっぱり男物に比べると布地も少ないなぁ・・・あ。」
思ったよりもすんなりと着れたので、姿見の前で色々な角度を見ていたら、留め金の一つがポロリと床に落ちた。
やれやれと思いながら屈むと、尻の辺りでミリッという音が・・・。
やべぇ、と思ったが最早後の祭りで、立ち上がろうとしても今度は腰の辺りが締め付けられる。
「う、動けねぇ・・・。」

こうして女装して身動きが取れなくなったのが数十分前というわけだ。
幸い今日は狩りに行く予定も無いのだが、このままでは色んな意味でヤバイ。
どうにか数ミリづつでも動こうとしているのだが、一向に終わりが見えない。
こうなったら誰か助けを呼ぶか・・・あぁでもこんな姿を見られればハンターとしても人としても終わる!
やはり少しづつでも体勢を戻してすぐに着替え・・・!
「旦那さ~ん、スキルポイントの振り分けなんだけどニャー」
台所の方から間抜けな声と共に出てきたのは、オトモアイルーのコタローだった。
「・・・。」
目が合い、お互いに無言のまま数秒が流れる。
「ちっ、違うんだコタロー!! これは・・・!」
必死に弁解しようと口を開いた俺に、コタローはわなわなと震えだす。
「だ、旦那さん・・・そんニャ・・・。」
そしてそのままヨロヨロと台所へ引っ込んでいく。
た、助かった・・・って助かってねぇ!
は、早く脱いで誤解を解かないと・・・!
あぁでも焦れば焦るほど破けちまう!
悪戦苦闘していると、再び台所からコタローの声が響いた。
「旦那さんお待ちどうニャー!」
コタロー・・・! 戻ってきてくれたのか!
流石なつき度MAX! 俺たちの絆は伊達じゃない!
しかし台所から出てきたのは、コタローではなかった。
「さぁとっととおっぱじめるニャー!」
出てきたのは、黒い髪にネコミミの生えた、素っ裸の青年だった。

うん。
誰てめぇ。

「だっ、誰かー!? 誰か来てえええええ!?」
最早恥も外聞も無く俺は叫んでいた。
不審者が、いや変態がここにいます! 誰か! 誰か来て!!
傍から見れば俺だって充分変態なのだが、そんなことも俺の頭からは抜け落ちていた。
「しーっ! 静かにするニャ! 邪魔が入っちゃ敵わないのニャ!」
変質者はすぐさま俺の口を塞いできた。
やばいこの人ホントにやばい!
なんだよ語尾がニャって!
「いきなりで驚いたかもしれないけど、オイラニャ、コタローニャ!」
何言ってんだこいつ。
アイルーが人間になるわけ・・・!?
しかしふと、その髪の色が目に止まる。
コタローの漆黒の毛並みと、全く同じ色なのだ。
よくよく見てみると、目の色もコタローと同じ青色だ。
い、いや別に目や髪の色が同じだからってコタローって証明にはならない。
冷静になるんだ俺!
そんな俺の心理を察したのか、コタローを名乗る青年は続ける。
「信じられないかもしれないけど、ネコバァに頼んでそういう薬を仕入れてもらったのニャー。証拠に、旦那さんの秘密知ってるニャよ? 月刊『狩りに生きる』の3月号と4月号の間に・・・。」
「んんー!」
わかった! わかったからその先を言うな!
でも確かにそのことは俺しか知らないはずなのに・・・。
一緒に暮らしてるからって何時の間に知ったのか・・・。
「・・・信じてもらえたかニャ?」
「ぶはっ、わかったから、とにかく信じるから、何か服を着てくれ・・・。」
そこまで言われちゃ信じる他ない。しかしネコバァすげえな。
いや、今はそんなことはどうでもいい。
女装した男に素っ裸の男が同じ空間に居るなど、色んな意味でそっちの方がやばい。
だがコタローはきょとんとした顔でこう言った。
「何言ってるニャ。これからって時に。」
は? これから? 何が?
「旦那さんがこんな変態チックな趣味とは思わなかったけど、オイラ旦那さんの為なら・・・。」
「あのコタローさん話が見えないんですが・・・。あと瞳孔が縦に割れてすげぇ怖いです・・・。」
「旦那さんがあんな本に頼るのが不憫でならないって思ったのが初めだったニャー・・・でもそれが段々愛しさに・・・。」
うるせぇほっとけ!
と叫びたいところだったが、話の流れが段々おかしなことに・・・。
「どうにかしてあげたいと思ってたとこに、ネコバァが助け舟を出してくれたんだニャ。感謝してもしきれないニャ。」
獲物を見つけた獣特有の、嗜虐心に満ちた表情に、俺は後ずさろうとするが、キリンシリーズが体を締め付けそれもできない。
「旦那さん・・・。」
コタローの濡れた瞳が徐々に近づいてくる。
ど、どうすれば・・・!?
「しかし旦那さんがこんな変態だとは思わなかったニャー。でもオイラ旦那さんならそんな変態でも・・・いやむしろ変態だからこそ萌え」
「変態変態と連呼するな!」
くっ、だがこのままでは本当にまずい!
どうにかしないと・・・!
「怖がらなくてもいいニャー・・・旦那さんのそういう変態的なニーズにもばっちりお答えするのがオトモの役目ニャ!」
「だから変態言うな! あとこっち来んな! って、うあっ!」
長時間屈んだ体勢でいたのと、にじり寄るコタローに気を取られていたことで、俺はバランスを崩し尻餅をついてしまった。
「っつー・・・」
「だ、旦那さん・・・そんな誘い方されたらオイラ・・・!」
何を言ってるんだお前は。誰も誘ってなんかいねぇ!
そう突っ込もうと思ったが、俺は気付いてしまった。

今の俺の格好
すごく・・・M字開脚です・・・。

「もうたまらんニャー! 旦那さん! 今すぐよくしてあげるニャ!」
「うわっ! ちょ、タンマ・・・っあぅ!」
俺の制止も聞かず、コタローは腰の前掛けを捲り頭を突っ込んでくる。
そしてそのまま鼻先を布地の上から擦り付けてきた。
「ニャー・・・もうこんなにして・・・旦那さん本当に変態だニャー。」
「う、嘘だそんなはず・・・っ! んんっ!」
だが俺の願いとは裏腹に、下半身はしっかり反応してしまっていた。
こ、これじゃ本当に変態じゃねぇか・・・!
「んっ、旦那さんのおっきいニャ・・・」
「いっ! あ、あああぁっ!?」
ざりざりとした感触が先端の敏感な部分を撫で、思わず身震いしてしまう。
な、何だ今の!? もしかして舌なのか!?
「もっ、コタローやめろっ! 出るっ・・・!」
あまりに強すぎる刺激に、俺は我慢できずに精を吐き出してしまう。
何度にも分けて脈動しながら吐き出されるものを、蠕動する舌が受け止めるのを感じながら、俺は快感に震えた。
やがて口腔の生温さから開放され、コタローが顔を上げた。
その口の端にはまだぬめりが残っていて、艶かしく光を反射していた。
「沢山出たニャー・・・。でも本番はこれからニャよ?」
コタローの指が、更に下の方へ動く。
「そ、そこはダメ・・・あ、あく」
「こんなとこまで大きくして・・・旦那さんもう変態なんてレベルじゃないニャ、淫乱ニャ。」
コタローは空いた口で、今度は俺の胸元に舌を這わせる。
布地の上から、またあのざりざりした感触が伝わる。
それは胸の突起を押しつぶして転がすように蠢き、容赦なく俺を追い詰める。
「んっ、そろそろ良いかニャー・・・。」
「ま、待て! 何の準備も無しにつっこんだりしたら・・・!」
「大丈夫ニャ! 何とかなるニャ!」
奥の辺りに熱い肉の感触を感じ、ざっと血の気が引く。
無理無理! 絶対無理!
畜生こんな時だけ性格「無謀」の特性を出しやがって!
「じゃ行くニャ・・・!」
う、うわああああ! もうダメだあああああ!

そう思ったとき、視界が一瞬で真っ白になった。

何事かと思ったが、気管を刺激されるような感覚に、いつも狩りで使っている煙玉のような煙幕に包まれているとわかった。
「げほっ、えほっ・・・。」
咳き込みながらも手で煙を振り払う。
やがて煙が消えると、そこにいたのはいつものアイルー姿のコタローだった。
「ニャー!? なんでニャ!? あとちょっとなのに・・・!」
「た、助かった・・・。」
恐らく薬の効果が切れたのだろう。
俺は立ち上がり、地団駄を踏むコタローをすぐさま台所へ蹴飛ばす。
「この、変態アイルーが!」
「ニャー!?」


結局、キリン装備は汚れに汚れてボロボロだったので、弁償するハメになった。
工房や本来の持ち主である女性ハンターには汚した理由などを聞かれたが、アイルーが誤って汚してしまったと誤魔化しておいた。
べ、別に嘘じゃないんだからねっ!


そして問題のコタローだが
「解雇な。即解雇。」
「ニャー!? そんなこと言わないで欲しいニャ! 旦那さーん!」
「うるせぇ! レイパーアイルーなぞ雇えるか!」
「ひ、ひどいニャ・・・オイラだって旦那さんの役に立ちたくて・・・!」
「う・・・っ!」
しょ、小動物の上目遣いとは卑怯な・・・!
元々俺がアイルー好きなことを知っての上での戦略か・・・!
くそ・・・っ!
「こ、今回だけだ! 次同じ様な事をしたら絶対解雇だからな!」
「わかったニャー! やっぱり旦那さん愛してるニャ!」

しかし俺は知らなかったのだ。
ネコバァ特製の秘薬が、まだまだ残っていた事を・・・。

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