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赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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7-1:狩人の契り(前編)

ここまでくると最早オリジナル設定すぎる。
まぁどうぞー。




「・・・もう忘れ物は無い?」
「大丈夫かと。」
「そう。それではもう一度、これからとりかかる案件の復唱を。」
「・・・ポッケ村ギルド支部所属のハンター、ユーライア・エリクソン並びにトトルの査問、及び罪状の確認。また必要があれば、その身柄を拘束、逮捕することです。」
「よろしい。ではこれより、王立学術院書士隊18課審問班、ポッケ村へ出立します。」
「はっ。」



始まりは何時ものような朝だった。
「ニャー! 旦那さんはひどいニャ! 最近ずっとあんな蝙蝠ばっかり構って!」
「そうニャ! オイラ達が近寄ったら無言で蹴り飛ばすくらいなのに! これはひどい差別ニャ!」
「笑顔でヒーラーUを持って来たら誰だって蹴るわ! こらそこフルフルS取り出すな! つーかどこからそんなモン持ってきた!?」
・・・正直これが何時もの光景となってしまったことは非常に遺憾なのだが、とにかく何時もの朝の光景だった。
「で、でもそれにしたってトトルを構いすぎですニャ!」
「そ、そんな事言ったって、あいつはお前らと違ってまだ人間社会に詳しくないし、何より事故みたいなもんでここに来ちまったわけだし・・・。」
「ユーリ。帰ったぞ。今日は北風みかんが安かったからまとめて買ってきた。」
「一人で買い物できてる上に物の相場も理解してるニャ! 無茶苦茶人間社会に馴染んでるニャ!」
「それに昨日の夜なんて尻尾の毛繕いまでしてあげてたニャー! オイラ達には一度だってそんなことしてくれないのに・・・!」
「オイラなんてトトルが来てから、『二人で狩り行くからオトモ連れていけないんだよなー』って調子でずっと放置ニャ! ひどすぎるニャ!」
「お前ら・・・ユーリが困ってる。やめろ。」
「誰のせいだと思ってるニャ!」
「あああああー! もううるせぇええええ!」
いい加減グダグダになってきた所で、玄関の戸を叩く音が響いた。
こんな朝から誰だよもう。
「はーい! 今出ます!」
睨み合う三人を台所に残し、俺は玄関へと向かう。
「すいません、お待たせしま・・・。」
正直、また村長が煮物作りすぎて分けにきてくれたのかなー、と思って戸を開けたのだが、そこに居たのは村長ではなく、それどころかポッケ村の住人ですらなかった。
濃紺のマントで全身を包み、直立の姿勢で佇む男女二人。
女性の方は、長い金髪を一纏めにした理知的な顔立ちの美女。
男性の方は、頭に大き目のベレー帽を被り、精悍な顔立ちをした美丈夫。
正に絵に描いたような二人組みなわけだが、俺の目に一番に入ってきたのは、彼らのマントの留め具に刻まれた紋章だった。
羽ペンに真っ白なノートの意匠。
これは確か
「朝早くに申し訳ありません。」
女性の方が、よく通る声で詫びを入れ、そして自らの身分を名乗る。
「私はアンナ・グリーシア。ミナガルデ王国王立学術院書士隊18課所属の、審問官です。」
懐から取りしてみせた身分証にも、きっちり紋章が刻まれていた。


ミナガルデ王立学術院。
文字通り、ミナガルデ王国の管理する、この国最高の学府だ。
その研究は多岐に渡り、ハンターズギルドと提携してモンスターの研究も行っている。
そして書士隊は、その中でも特に危険な任務である、狩場への実地調査を主に行う組織だ。
当然モンスターと遭遇することも多く、いざという時の為に武装する事も許されている。
その戦闘力は王国軍にも劣らないと言われ、有事の際には対モンスター部隊として動員されることもある。
だが、書士隊18課は他の課よりも一風変わった仕事を行う。

即ち、密猟者や不正ハンターの取締りである。

本来はそれはギルドの管轄であったが、権力の相互監視だか何だかの名目で、この課へ管轄が移ったのだ。
その件では色々いざこざもあったらしいが、現在では今の形態に落ち着いている。
そして彼らの制服に使われる濃紺の色は、ハンターたちにとって良くない報せを届けるものとして忌み嫌われ、「青服」という蔑称まで生まれた。


その青服が、何でここに・・・!?
俺が驚愕のあまり固まっていることなどお構いなしに、アンナと名乗った審問官は続ける。
「失礼ですが、こちらはユーライア・エリクソンの自宅で間違いありませんか?」
「あ、は、はい・・・。俺が、ユーライア・エリクソン、です。」
しどろもどろで答える俺に、今度は男性の方が書状を突きつけてきた。
「ユーライア・エリクソン。貴方にはハンターズ・コード第6条、12条、34条から37条まで、それぞれ違反した嫌疑がかかっています。」
「・・・っはぁ!?」
「よって、略式ではありますが、審問会への出頭を命じます。」
「なっ、なん・・・ええええええぇぇぇ!?」


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