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赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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61-3:轟竜が恋した女狩人(後編)

おまっとさんですラストです。
しかしポッケ村の人はどんどん逞しくなるな。
まぁどうぞ。



「いやね、いい機会だと思ったのよ。すーさんはいい加減に見えて結構義理堅いとこがあるから、何時までも家同士の約束に縛られる事も無いだろうってね」
「うん」
「そりゃ付き合ってた事もあるけど、友達の延長線上みたいなものだったし・・・まぁ若気の至りってことでお互い忘れて、新しいきっかけになればと思ってラスにOK出したんだけど・・・」
「うん・・・」
「うおおおおりゃああぁぁっ!!」
「どっせええええい!!」
遠い目で語り合う俺とラジーの目の前では、ラスとすーさんが雪まみれになりながら素手で殴り合っている。
「それがまさかねー・・・こうなるとは・・・」
ラジーがラスにOKを出した直後に、間髪入れずすーさんの口から出たのは、「表出ろ」だった。
喧嘩っ早いラスのことなので、すぐさま意味を察知し、殴り合いになるのには十秒とかからなかった。
勿論止めようとはしたのだが、最早こうなってはどちらかが倒れるまで見守る他無い。
「正直ね、すーさんが私を構うのは家の約束とか昔の関係を引きずってるからだと思ってたのよ。さっきも言ったように変なとこで義理堅いから。けどまさかねー・・・ここまで本気だとは思わなかったわ」
「で、どうするんだ? ここまで来たらもう『私の為に争わないで!』じゃ済まされない気がするが・・・」
「実際その立場になるとかなり微妙な気分ねこれ・・・」
「でりゃあああああ!!」
「ぐへえ!?」
どうやら話し合っている間に勝敗は決したようだ。
すーさんのストレートが見事顔面に決まり、ラスはその場に崩れ落ちる。
「っしゃああぁぁ!」
右腕を天に掲げ、勝利の雄叫びが響き渡る。
だが対するラジーの眼差しは何とも複雑そうだ。
「うーん・・・ラスにもすーさんにも悪いけど・・・やっぱりこういうことはきちんとしないとね」
「え? 何を・・・」
「『私の為に争わないで!』なんて私の柄じゃないしねー」
「クラウディア! 今日こそ言うぜ! 俺と結婚」
「どっせい!」
「ぐふぉおっ!?」
笑顔で駆け寄ってきたすーさんを、ラジーのアッパーが見事に打ち上げる。
「うん。やっぱ『私が欲しければ、私を倒してみせなさい!』ってのが性に合うわ」
「く、クラウディア・・・いきなり何を・・・」
打ち上げられた顎をさすりつつ、すーさんは涙目で問う。
そしてラジーは胸を張ってこう言い放った。


「ラスの気持ちもすーさんの気持ちもよく分かったわ。けどね、これからハンター稼業を続けていく以上は、私より強い人でないとね」


「そ、そんなのアリかよ!?」
「嫌なら他を当たりなさいな。クライネルの次男坊ならそれだけで女の子が寄って来るでしょう?」
「・・・くっそ! なら俺の本気を見せてやらぁ! うおおおぉぉ!」


既にラスとの闘いで満身創痍のすーさんと、万全の体勢のラジー。
いくら男女の違いがあるとは言え、どちらが勝ったかなど言うまでも無い。



これ以降、ポッケ村ではことあるごとにラジーに対決を申し込む二人の姿が見られるようになった。
「クラウディア! 今日こそは俺のものにべぶらっ!?」
「背後から来るのは悪くないけど、そんなに叫んだらバレバレよー?」
「うおおおぉぉ! ラジー俺だー! 結婚してくれえええぇぇ!」
「あらよっと」
「おごぉっ!?」
「んな真っ直ぐ来られたらそりゃかわすわよ」
未だ二人ともラジーには敵わぬ様で、今日もまた村のどこかで二人の叫びは続いている。


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