赤虎アイルー

某所で書き溜めたSSの保管庫

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61-1:轟竜が恋した女狩人(前編)

ラスさんの話の時は何故かBGMタイトルになってしまうなぁ。
まぁそんな感じでどうぞ。




「ユーリー? 居るー?」
「はいはーい、あぁラジーいらっしゃい」
「これから寒くなるだろうから色々持ってきたわよ。はい、まずはククル用の手袋と帽子ね」
「おぉありがとー」
ラジーは時々、こうしてうちの変異体用の衣服を持ってきてくれる。
しかも体のサイズは勿論の事、各々の身体的特徴(例えばトトルやククルの服は尻尾を出せる穴が付いている)をきちんと考えて作られていて、布地や仕立ても非常にいい。我が家の家計はラジーが持ってきてくれる衣服のお陰で、大部分が支えられていると言っても過言ではない程だ。
だがラジー曰く趣味と実益を兼ねてやっているとのことで、何かお礼や代金を渡そうとしても、決して受け取ろうとしなかった。
「だからそんなのいいからこないだのメイド服着てよー!」
「折角いい話風にしてんだから横槍入れない! けど本当にいいのか? 布地やら縫製の手間やら、決してタダじゃないだろう?」
「んーまぁある種のビジネスチャンスと言うか商人の血が騒ぐというか」
「ビジネスチャンス?」
「いやほら、この先変異体が増えてくるとも分からない訳だし、そうなるとまずその為の衣食住を確保する必要が出てくる訳じゃない?」
「まぁ、そうなるな」
「であれば、変異体用の衣服のノウハウを今の内に独占しておけば間違いなく一攫千金! という寸法でしてね」
「抜け目無いな!」
「ユーリだってトトル達との生活を本にすりゃ一発当たるんじゃない?」
「いやだめだろそれは。ハンターズコード的な意味で」
「あ、それもそうか・・・まぁとにかく、どっちにしろこっちにも得があるから気にしなくてもいいのよ。あ、でもメイド服着てくれるなら何時でも歓迎よ?」
「着ない!」
「ちっ」
そんな調子で話し込んでいると、何時の間にやって来たのか、ラスが話に入り込んできた。
「お、ラジーじゃんどうしたんだ?」
「あぁちょうどよかった。ラスにも聞きたかったんだけど、こないだの服の着心地はどう? 窮屈だったりしない?」
「ちょうどいいぜー。最初は服って変な感じだったけど、慣れれば平気になった」
「まぁモンスターの頃は基本マッパだもんねー」
しかしその服と言うのが薄手のシャツに半ズボンなんだよなラスの場合・・・。
この真冬でもそれで平気なのは流石ティガと言うべきか・・・ん?
俺はふと、ラスの耳に赤みがさしているのを見つける。
変だな・・・部屋の中は暖炉で暖めてあるから、寒さで赤くなる筈は無いんだが・・・。
「しかしいくらなんでもその服だけじゃ寒くない? ラスにも上着かマフラー作ってあげましょうか?」
「え!? いいのか! じゃあ頼む!」
「え・・・でもラスこないだそれでも暑いって」
「マフラー! マフラーを頼む!」
「はいはいマフラーねー」
俺が挟んだ口を、ラスは大きな声でかき消す。
そんなにマフラー欲しがってたっけお前・・・?
「んじゃ今日は用事あるからこの辺でお暇するわ。今度来る時にラスのマフラーも持ってくるから」
「楽しみにしてるな!」
「あらありがと。じゃまたねー」
帰っていくラジーの背に向かって、ラスはぶんぶんと唸りをあげそうな程の勢いで手を振る。そして尻尾の方も思いっきり振れている。
・・・これってもしかして・・・?
「なーなーユーリ!」
「う、うん?」
「確か人間同士だと、手編みのマフラーを贈るのは最高の愛情表現なんだよな!?」
「え・・・あー・・・うんまぁ・・・」
「よっしゃー!」
一際でかい声でそう叫ぶと、ラスはスキップでもしそうな勢いで外へ出て行く。
「あ、ちょ、どこ行くんだ?」
「花を摘んで来る! こっちからも何か贈らないとな!」
この時期に花なんて咲いてるのか・・・?
というツッコミも、つっこむ暇があらばこそ。
ラスの姿はすぐに見えなくなってしまった。


えーと・・・これって、やっぱりそういうことだよな・・・?


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